ゲストハウスを作りたい!必要な手続きや関連する法律は?

日本を訪れる観光客が増えたことにより、ゲストハウスや民泊といったサービスが広まりました。中には自分の所有している物件を改造してゲストハウスと運営したいという方もいるのではないでしょうか?

ゲストハウスの開業は決めたらすぐにできるわけではなく、さまざまな手続きや申請が必要になります。では、ゲストハウスを開業するにはどのような手続きや申請を行えば良いのでしょうか?

今回はゲストハウスの開業に関する法律や手続きについてご紹介します!

ゲストハウスとは?

 

よく聞く宿泊施設には民宿や民泊などさまざまありますが、正直何がどう違うの?と迷ってしまいますよね。それぞれの特徴や違いを簡単にまとめてみましたので、参考にしてみてください。

民泊 自分の家の一部やマンションの一室を宿として貸し出す。オーナーがいなければならない決まりはなく、基本的に食事の準備も不要。都道府県知事に対して民泊の届け出をすることで開業できる。
ゲストハウス 明確な定義はないが、安価な宿泊施設やさまざまな国籍の人が交流できる施設を指すことが多い。 基本的に食事の準備は不要 。 開業には旅館業法における「簡易宿所業」の許可を得る必要がある。
民宿 開業には旅館業法における「簡易宿所業」の許可を得る必要がある。家庭料理のような食事が振舞われることが多い。定員10人以上の施設には客室の延べ床面積が33平方メートル以上必要。

 

ゲストハウスに明確な定義はありませんが、一般的には小規模で簡易的な宿泊施設のことを指します。訪日観光客が増えたことをきっかけに急増し、宿泊客からは「旅館やホテルより安価なのに立地がいい」「他の宿泊者との交流が楽しめる」といった需要があります。もともとはバックパッカーによる利用が多かったようですが、今ではそれ以外人による利用も増えています。

安価なら小さくて汚い施設なのでは……?と思われる方もいるかもしれませんがそんなことはなく、清潔感やスタッフの接客はホテルや旅館に引けをとりません。トイレやお風呂が共用、食事の提供がない、布団は自分で敷くなどサービスを省くことで宿泊単価を安くしています。

また、最近のゲストハウスは建物の雰囲気を活かしたその土地ならではの施設や、手入れの行き届いたオシャレで個性的な施設までたくさんあります。客室のタイプもドミトリーから個室までさまざまです。

訪日外国人が増えたことで、ゲストハウスの数も急増しました。では、ゲストハウスを開業するにはどのような手続きを行えばよいのでしょうか?

 

ゲストハウスの開業に必要な手続き

 

ゲストハウスを開業するのに特別な資格などは必要ありません。許可や申請をしっかり行うことで、誰でも開業することができます。

ゲストハウスの開業に関して、クリアしなくてはならない法律は以下の3つです。

  • 建築基準法
  • 旅館業法
  • 消防法

 

物件の規模に関わらず、開業にはこの3つの法律をすべてクリアする必要があります。

では、3つの法律に関する手続きはそれぞれどのようなものなのでしょうか?

建築基準法

建築基準法とは、その建物が人にとって安全なものかどうかという基準を定めた法律です。ゲストハウスを開業する際も、その物件がゲストハウスとして安全に利用できることを申請し許可をもらう必要があります。

もともとは宿泊施設ではなかった物件を宿泊施設として利用しようと考えている場合は用途変更の申請が必要です。

用途変更の申請は地域の役場に足を運ぶ必要があります

旅館業法

旅館業法とは、宿泊料を受け取って人を泊める施設に適用される法律です。ゲストハウスはこれにあたるので、旅館業法に基づく営業許可を取らなければいけません。

旅館業法において、旅館業は「ホテル営業」「旅館営業」「簡易宿所営業」「下宿営業」の4つに分かれています。ゲストハウスは宿泊する場所を他人数で共用する構造および設備を主としているため簡易宿所営業にあたります。

申請にはゲストハウスを開業したい地域の保健所に向かいましょう。申請から許可まではおおよそ1ヵ月ほどです

消防法

消防法とは、火災を予防することで人の命や財産を守ったり地震などの被害を軽減するほか、怪我人の搬送を適切に行うための決まりを定めた法律です。

ゲストハウスを開業するには地域の消防署へ向かい、消防法令適合通知書を受け取る必要があります。

検査で問題が無ければ、約一週間ほどで通知書を受け取ることができます

 

ゲストハウスの開業には入念な下調べを

ゲストハウスを開業するのに資格は必要ありませんが、クリアしなければならない法律や手続きはたくさんあります。抜け漏れのないようにある程度下調べをしてから動き出した方がいいでしょう。

また、建物に関する決まりや細かい法律の規定については、素人では分からない部分も多いでしょう。悩んだときはプロにアドバイスを求めてもいいでしょう。