現代では技術を駆使してさまざまな防犯システムが開発されていますが、それでも家への空き巣被害が完全になくなったわけではありません。家づくりにおいて防犯対策は欠かせない要素となっています。
防犯住宅とは?
警察庁が発表したデータによると、侵入窃盗が発生した場所のうち最も狙われていたのが一戸建て住宅であるという結果が出ています。世界で最も安心できるはずの自宅が、侵入者に狙われてしまうのは不安ですよね。
このような不安を解消し安心安全な暮らしを実現するため、あらかじめ防犯面を強化したデザインで建てられているのが防犯住宅です。さまざまなハウスメーカーや建築事務所が防犯住宅を提案していますが、防犯に関する基本的な設備は共通する部分があります。
防犯住宅に取り入れられている設備
強い窓で侵入を防止
一戸建て住宅における侵入経路で特に注意したいのが窓です。無施錠だった窓から中に入り込んだり、ガラス破りをされるケースが多くなっています。多くの防犯住宅ではこうした窓からの侵入を防ぐため、割れにくい防犯ガラスやダイヤル式のクレセント、二重ロックのサッシなどを採用しています。
侵入者が家に侵入しようと考えた時、侵入に5分かかれば半分以上が諦め、10分かかるならほとんどの侵入者が諦めるという話があります。防犯を強化することで空き巣が窓を破るのに必要になる時間は通常の数十倍まで増え、多くの空き巣が浸入を諦めることにも繋がります。
防犯ガラスとは2枚のガラスの間に防犯膜を挟んだもので、割れにくく割れた後も穴が開きにくいのが特徴です。防犯面で非常に高い効果を発揮しますがコストがやや高くつくのが難点ですので、予算の都合で防犯ガラスの採用が難しい場合は防犯フィルムを窓ガラスに貼るのもおすすめです。
ただし熱割れなど注意したい点もあるので、よく理解してから貼るかを決めましょう。
玄関や勝手口の防犯を強化
玄関は窓に次いで侵入に使われやすい場所です。正面玄関は目立つから空き巣も避けるのでは?というイメージがあるかもしれませんが、侵入できるのなら玄関ドアからも入ってくるので思い込みは禁物です。
まず、玄関扉から侵入しようとした場合によく使われる手口が以下の通りです。
- ピッキング……鍵の挿入口から鍵を開ける
- サムターン回し……鍵周辺に穴を開け道具を差し込み内側のサムターンを回して解錠する
- こじ破り……ドアの隙間にバールを差し込みドア錠を破壊する
玄関も窓と同様、侵入に時間がかかることによって空き巣を諦めさせることが大切です。防犯住宅の鍵に多く採用されているのがディンプルキーで、パターンが数千億もある複雑なシリンダーでピッキングによる鍵開けを困難にさせます。
また、鍵の性能が高まったことで減少したピッキングによる被害の次に増えてきたのが、サムターン回しという侵入方法です。サムターンとはドアの内側についている錠の開け閉めを行うための金具で、ドアに穴を開けて道具を差し込んだりガラスを破って手を入れることでサムターンを回すと錠を開けることが可能になってしまいます。
このサムターン回しを防ぐために開発されたのがセキュリティサムターンで、つまみを外せるのでサムターン回しが出来なくなります。
目に見えるアイテムで侵入者をけん制
見える位置に防犯アイテムを設置するのは「この家のセキュリティは厳しそうだ」と侵入者に思わせ、狙われにくくする有効な手段です。人の接近に反応してあたりを照らすセンサーライトなどが多く取り入れられています。
また、空き巣は侵入する際にドアホンを使って家に人がいるかを確認することがあります。そんなとき、ドアホンが録画機能付きテレビドアホンであれば確認をためらうので防犯に有効です。いざというときには録画を証拠として使用することもできます。
安心できる暮らしのために
防犯面高めると、自分や家族を守り安全な暮らしを手に入れることにつながります。これからマイホームを建てるという方はぜひこういった防犯設備を取り入れることをおすすめします。
また、もう家を持っている場合でも、後から取り入れて防犯性を高めることができる設備はたくさんあります。