これは「次世代の家造り」についてをテーマに、若い世代の家づくりの悩みや疑問点について6回に渡って掲載されるものです。 今回は、第3回の掲載分をお届けします。 「次世代の家造り◇3◇家を育てるという考え方」 若い世代の家づくりの悩みや疑問点を対談形式で専門家二人が解決していきます。 相談するのは、そろそろ家を建てようと考えている主婦の典子さん(仮名、二十九歳、子ども一人)。 建築家の高草大次郎さんと建築会社勤務の倉原猛さんが質問に答えていきます。 前回、新築の家は本当に必要な部分だけで建てて、後々必要になれば増築で対応するという考え方について話しました。今回は費用的なメリットの話です。 典子=初めに最低限必要な部屋だけを建てて、後々、必要に応じて部屋を増築する。しかも増築費は安く。どんな家なんでしょうか。想像がつきません。 高草=口で言うのは簡単ですよね。具体的な話を進めていきましょう。 倉原さん、一般に既存の家の「増築」というとどのような形で施工されることが多いですか。 倉原=そうですね。キッチンやお風呂を広くするために1階で増築するケースが多いですね。 基礎工事から外壁、屋根まで新築と同様に施工します。だから安くなることはないですよね。 高草=では、新築時に、内部の床と壁の施工で済むような、増築に柔軟に対応できる縦長の大きな箱(住宅)を用意しておいてはどうでしょう。 例えば二階に生活の主体であるLDK(一室で居間・食堂・台所を兼ねたもの)を用意し三階は吹き抜け一階はガレージにしておくのです。 典子=吹き抜けとガレージ部分の部屋を将来増築するんですね。 倉原=それなら増築費用は安くすみますよ。基礎工事も屋根の施工もいらないから。床面積は小さいけど体積の大きい住宅ですね。 典子=ローコストでも外から見ると大きいお家になるんですね。素敵じゃないですか。 高草=ただ体積が大きい分、床面積あたりの施工単価は安くなりません。床面積が小さいから初期費用が安くつくといっても一般の住宅との差額は三百万円がいいところでしょうか。 典子=新築時のメリットである差額費用三百万円だけ将来の増築費をまかなうのは難しくないですか。 倉原=では、考え方を変えてみてはどうでしょうか。 その三百万円も住宅ローンで借りると最終支払金額は倍額になるかもしれないですよ。その代わり、住宅ローンの金利分は増築費として貯めればいいんです。 高草=しっかりとした建設の設計と家計の設計が必要ですね。 (奈良新聞 2006年12月29日(金)掲載)
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